通院日。奥さんが「今日はお蕎麦が食べたい」ということで選んだのはこちらのお店。ミシュラン一つ星にも選ばれたお蕎麦屋さん。
時刻は13時半くらい。隣のコインパーキングに車を停め、杖を突いての入店。店内に先客はちらほらいたものの、席は空いていた。
中はおしゃれな雰囲気で、いかにもミシュランに選ばれそうな感じ。テーブル席とお座敷があり、テーブル席でお願いした。
価格帯は単品なら¥1000〜2000というところ。まあ中の上ってところかしら。お蕎麦屋さんはさ、立食いは立食いの良さがあるし、田舎そば更科そば色んな蕎麦それぞれの良さがあるから楽しいよね。まあ、たまにハズレもあるけどさ(ノビてるのは論外)。
さて、何を頼もうかな。奥さんは天せいろ、お義母さんは生湯葉せいろをチョイス。じゃあ私はおせいろと自然薯麦とろ飯を頼むとしよう(お蕎麦だけだと足りない気もするし……)。
12、3分で提供。
3人だとちょっとテーブルの狭さを感じるな。お蕎麦の盛り付けがお店の雰囲気からすると若干ワイルドに思える。
さて、早速お蕎麦をいただこう。つゆに先だけ浸けてひと啜り。うん、美味しい。細切りの蕎麦は程よい噛み応え、つややかな舌触り、スッキリとした喉越し。香りや甘味は強くはないもののしっかり感じる。これくらいの茹で加減だとゆっくり食べてもノビないし、少量ずつ啜っても食べ応えがあって良い。美味しい。あえて希望を言うなら、個人的にはもう少し舌触りに立体感があるともっと好きかな。
つゆはかなり濃い目で、少量つけるだけで十分。甘味は控えめだけれど旨味が強いので塩辛い感じは無い。出汁の香りも強過ぎず、蕎麦の風味を邪魔しない。好みではないけれど、これは美味しい。
薬味はワサビとネギ。ワサビは少しずつ箸に乗せて、蕎麦と一緒に掴んでいただく。ちょっと量が少ないのでちびちび摘んだ事もあり、そんなに強く香りは感じられなかった。ネギは蕎麦湯に取っておく。
量は思ったより少なくない。とはいえご飯付けなかったら物足りなかったかも。奥さんとお義母さんは物足りなさそうだった。
自然薯麦とろ飯は付属のタレをかけていただく。けっこうかけてもしょっぱくないけれど、全部かけるとやや濃いかも知れない。自然薯の風味は非常にスッキリしていて、悪い香りは全くしないけれど、ちょっと上品過ぎて物足りない気もする。とはいえ旨味そのものは決して薄くない。美味しい。麦飯の量は「小ライス」って程度なので、あくまでもサイドメニュー。個人的にはかなり満足感を底上げしてくれた。
食事をしていたらランチサービスだというデザートが提供された。今日はお蕎麦のムースだそうで。アッサリして柔らかい蕎麦がきのようなムースに、きな粉のソースがかかっている。素朴な味わいで美味しい。けっこう好き。
食べ終わるタイミングで蕎麦湯が提供された。時刻はもう14時。トロリとした、なかなかに育った蕎麦湯だ。時間を狙ったわけじゃないけれど、これは嬉しい。
まずは残ったつゆを割って、ネギを加えていただく。葛湯のような舌触りに蕎麦の甘味、つゆの塩味と、出汁とネギの風味が加わって美味い。ついグイッと飲み干してしまった。
あんまり美味しいので皆で蕎麦湯をおかわりした。そのまま飲んでも十分美味しい蕎麦湯だけれど、卓上の土佐醤油と七味を少し加えて飲むのもまた美味しい。
土佐醤油はやや甘めで濃厚な旨味。七味はかなり細かく砕かれていて、少量でもパッと香りと辛味が広がる。
奥さんとお義母さんはちょっと物足りなかったみたいだけれど、個人的にはけっこう満足。たまにはこういう上品なお蕎麦も良いね。